たんばのこゆき

寒そうな京都の北西の空です。山々の向こう、丹波地方
では雪がチラついていそうです。
平安時代後期の同じように寒い日、後に鳥羽天皇となる
幼い男の子が、雪が降ってくるのを見て、《ふれふれこゆき、
たんばのこゆき》と歌っていました。これを聞いた物知りが
「《こゆき》とは、空から落ちてくる雪が、米を臼で搗いて
できた粉を篩でふるっている時に、落ちてくる粉と似ているので
《粉雪》という。その後段の《たんば(丹波)のこゆき》は、
《たんまれ(=溜まれ)粉雪》と歌うのが正しい。(天皇が)
幼いので間違われたのだ」といったことを、御所の女官が
日記に記しました。この話は、徒然草 第181段にある話です。
何となく微笑ましい情景ですが、粉体にたずさわる者としては、
「この粉は、今でいう『新粉(しんこ)』であり、主食用
ではなく、菓子の材料ではなかったか。粉砕後、篩で粗粒子
や異物を除去する開回路工程が行われている。使用されていた
ふるい網の材質は何か、目開きはどれくらいだったのか」など、
別の見方をしてしまいそうな話でもあります。
(2016年1月メルマガより)

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